飲食店メニューの翻訳

メニュ−を翻訳する場合、外国人が理解しやすい

表現にするためには、単なる翻訳に止まれず、

外国人の習慣、宗教、調理方法等の知識も必要です。

景品表示法等に準拠したメニューの作成コンサルティング、

及び翻訳を行っています。

(洋食レストラン ・ 日本料理 ・ バー ・ スナック ・ 喫茶店 ・旅館 ・ ホテル等)

対応言語は、英語、中国語、韓国語となります。

 日本食は「寿司」、「天ぷら」等の一部を除けば、

未だ国際的な料理ではありませんので、

食材、調味料、調理方法、場合によっては食べ方等も

説明してあればより親切ではないでしょうか。

以前に訪れた日本そば店の英語のメニューでは、

 

ざる蕎麦が「Zaru-Soba-Noodle」でした。

日本食が判らない外国人には、Noodleの(麺)以外は意味不

明ですし、食べ方も判りません。

麺つゆをざるの上から掛けて、テーブルが汁の海になったこともあるそうです。

また、熱いうどんに掛けた鰹節が、湯気でヒラヒラ動くのをのを見て、

気味の悪い”生き物”だと勘違いして、結局は箸を付けなかったそうです。

料理の写真は非常に有効ですが、海外には存在しない日本固有の

食材を使用する場合、説明が無ければ理解できない場合もあります。
 2020年には東京オリンピックも開催され、政府も外国人 

旅行者数の数値目標を設定している折、

外国語のメニューも一般的になっていくと思います。

また、大田区では羽田空港の国際空港化により、

外国人旅行者の区内勧誘を官民一体で推進しており、

現在も空港ターミナルの更なる拡張、新ホテル建設が

進められています。

 

 個人経営の小さなお店から、チェーン店化されている会社まで、

お気軽にお問合せください。

「外国人のお客さんはうちには来ない!」のではなく、

不安で入れないのではないでしょうか。

 

  また、国際行政書士として、風俗営業、バー等の許可、届出、

及び商店街組合等の外国人向けパンフレット、マップ類の翻訳、

コンサルティングも承っております。

 

判りにくいメニューの翻訳例

日本や海外で目にする判りにくい飲食店のメニューの翻訳をご紹介します。

日本人には広く知れ渡っている料理ですが、直訳したために意味不明のものや、

素材だけを標記しているため、どのような料理なのか判らない場合があります。

−酢豚−

日本人であれば誰でもご存知の「酢豚」ですが、

中国で酢豚を注文しても、殆ど通じませんでした。

英語の場合は、これを直訳して"Sweet and Sour Pork"と

翻訳されます。

”甘くて酸っぱい豚肉”というわけです。

「酢豚」を知らない外国人にとっては、どのように調理したものかは全く判りません。

中国では場所によって「酢豚」と似たような料理がたくさんあり、

”甘(舌+甘)酸肉”、”糖醋排骨”等が比較的近いと思います。

 

 「酢豚」を英語に翻訳するするためには、小麦粉をまぶして揚げた豚肉、

味付けであるトマトソース、砂糖、酢、片栗粉、それらをスライスした野菜等と一緒に

炒めた甘酸っぱい豚肉料理である説明が必要です。

 

寿司

お寿司は国際的なメニューになってきましたので、

ネタの説明があれば

翻訳なく「Sushi」で通じると思います。

中国でも同じ漢字を使います。

しかし、「海鮮ちらし」の場合は如何でしょうか?

海外では、寿司は握った酢飯の上に魚介類等を乗せた料理という江戸前握りの

イメージが強く、丼ぶりにシャリを入れ、その上にネタを乗せる料理は、

寿司として認識されにくいと思います。

また、外国人の中には「寿司」と「刺身」を混同している人たちもいます。

 以前に寿司好きのアメリカ人の友人に海鮮ちらしを注文したところ、

大きな丼ぶりにたくさんの生魚が隙間なく盛り付けられ、

シャリが全く見えなかったため、丼ぶりの底まで魚介類で埋め尽くされていると

思ったようで、寿司好きの彼でも、生涯にこのように大量の生魚を一度に

食べたことがないと困惑してしまいました。

それを察し、魚の下はご飯であることを説明し、とても安心したようでした。

 

 「海鮮ちらし」をメニューで翻訳する場合、

炊いた白米に酢を打ち、それを丼ぶりに入れ、その上に魚介類、海苔、ガリ等を

トッピングする料理であることを伝えなくてはなりません。

また、程度が判らず、直接丼ぶりに醤油をなみなみと入れる危険もありますので、

小皿に醤油とわさびを入れ、それにネタを付けて食べるように

メニュー内で説明してあげるのが親切だと思います。

 

しゃぶしゃぶ

 

日本語のメニューにひらがなで「しゃぶしゃぶ」と

 

書かれていても、

外人にはどのような料理であるか皆目見当がつきません。

中国では「火鍋」と書きますので、中国人も理解できません。

大きなスープが入った土鍋と伴に、野菜、豆腐等と薄切りの肉が

お皿に盛り付けされて出てきた場合、

具材を鍋に入れることは察しがつきますが、肉を一枚づつしゃぶしゃぶすることは、

想像できないと思います。

また、添えられたポン酢ダレやゴマダレも、鍋に入れてしまった人を

見たことがあります。

英語・中国語・韓国語のメニューでは料理の説明、

及び食べ方の解説が必要であると思います。

世界で通じない日本語のメニュー

麻婆ナス

初めて中国に行った頃、麻婆豆腐に飽きたので、少し具を変えるために

麻婆茄子を注文しましたが、そのような料理は無いとのことでした。

もしかしたら日本が得意の和製中華料理かと思いました。

天津丼や中華丼が和製中華とは知っていましたが、麻婆ナスまでそうなのかと

思い知らされました。

しかし、ある日同じレストランで、どうみても麻婆ナスを食べている人を見つけたのです。

隣りで食べている料理は、どのメニューかと聞くと、それは「魚香茄子」と

書かれていました。

本当は「ユーシャン チエズ」という料理なのでした。

中国には麻婆茄子と呼ばれる料理はありませんでした。

バイキング

昔、初めて北欧に行った時、朝食は「バイキング」なのかとホテルで聞いたところ、

全く意味が通じませんでした。その時はきっと本場なので発音が悪いのかと思いましたが、

部屋のホテルガイドを見ると、朝食は「Buffet」と書かれていいました。

友人の北欧人に確認しても、「バイキング」という食事スタイルは通じませんでした。

(実際、北欧では「バイキング」ではなく、「ビーキング」と発音します。)

今でこそ日本でも「Buffet」という言葉は一般的になりましたが、

当時の日本人は「バイキング」が正しいと考えていたと思います。

実はその昔に、帝国ホテルが北欧のスモーガスボードを真似て「バイキング」と

命名したようです。

また、日本でのBuffetの発音は「ブッフェ」が一般的と思いますが、

「バフェ」の方が通じると思います。

 

 話は変わりますが、デンマーク周辺のローカルなレストランでは、

フォークを出さないことが多く、ナイフだけで食べます。

ナイフに料理を乗せて、そのまま口に入れるのに抵抗が有る場合は

フォークも注文しましょう。

パスタ

 日本で「パスタ」といえば、スパゲッティーの代名詞のようですが、

イタリアでパスタを注文しても、スパゲッティーは出てきません。

パスタとは小麦粉等を使った練り物類の料理です。

つまり日本で言えば、「粉もの」、「麺類」等を総称したものが「パスタ」です。

言わば「お好み焼」、「たこ焼き」もパスタと呼べると思います。

 

 スパゲッティーのように長い物には、カッペリーニ、リングイネ、フェットゥチーネ。

短いものには、マッケローネ、ペンネ、リガトーニ。

詰め物では、ラビオリ、トルテツリ。

その他、ラザーニエ、ニョッキ。

等、その他数多くのパスタがあります。

 

 日本でも、うどん、そば、素麺、冷麦、ラーメン等、

太さや材料等で呼び方が違うのと同じです。 

ベジタリアン

 一般的にベジタリアンは肉、魚類を食しない人々と

考えている方が多いと思います。

しかし、それらに加えて卵、乳製品、根菜等を食しない

人々も居ります。

日本料理では鰹節を使用した出汁を使用する場合が

多いようですが、昆布だし等への変更が必要となります。

また、当然、シジミやハマグリを具材とすることはできません。

 

 食べれる食材は宗教や個人により大きく異なります。

その為にも、単にメニューを翻訳するのではなく、調理方法、含まれている

食材の説明が不可欠となります。

 

 特に注意が必要な食材としては、肉、魚、血液、海老、

カニ、イカ、タコ、貝類、根菜等です。

また、イスラムの場合は、アルコールを含んだ「みりん」

使用することができません。

 

 日本の精進料理であれば問題が無いと考えがちですが、

一部のベジタリアンは食べることのできない食材が入って

いる場合が多々あります。

飲食店でメニューを作成する場合、問題となりそうな食材を

アイコンで標記する方法もあります。

宗教上食べれない食材

 宗教によって食すことが禁止されている食材が

多々あります。

人によってその内容は多少異なりますが、

代表的な飲食が禁じられている食材を宗教毎に

標記いたしますので、

逆にこれらを含まない料理は、その旨メニューに明記

されては何でしょうか。

 

【イスラム教】

豚肉、アルコール、血液、イカ、タコ、貝類

 【ユダヤ教】

豚肉、血液、イカ、タコ、海老、カニ、貝類

 【ヒンドゥー教】

肉類、魚介類、卵、玉ねぎ類

 

この他、一部の仏教徒でも肉類が食せない人も居ます。

同様に一部のキリスト教でも肉、アルコールを禁じている場合があります。

 非常に禁止食材の種類が多いため、全員に対応した料理を作ることは

困難ですが、イスラム教徒でも食べられる豚肉のスープを使用しない

ラーメンを提供して、繁盛されているお店もあるそうです。

食材の表記

日本で使用されるエビには「車エビ」、「芝エビ」、

「ブラックタイガー」、「ブラックタイガー」、「バナメイエビ」等、多くの種類があります。

それらをMatapenaeus Joyneri, Marsupenaeus

Japonicus, Litopenaeus Vannameiと学術用語で表記し

て、「うちのメニューに偽装はない」と胸を張っても、

理解する外国人が居なければ、英語のメニューの意味がありま

せん。

 このような場合は取りあえずは「Prown」,「shrimp」といった、

いわゆる一般的な「エビ」であることを明記し、

活きた車エビのように高価な場合は、活きていること、

産地、特別な味覚、種の起源等を詳しく説明することをお勧めします。

 尚、中国では地域によって、活きているエビが非常に重要であり、

中級以上のレストランでは、料理の前に生きたエビであることを

お客に見せに来ます。

 

 このようにメニューを外国語に翻訳する場合、

もちろん正確さは大切ですが、先ずは理解してもらいことが

より重要となります。

そのうえで、付加価値が有ればそれを詳しく追加記載すべきです。

日本産の活きた車エビと、最も安価な輸入冷凍バナメイエビを

同列に思われては悲しいものです。

 同様に、「地鶏」とメニューに記載されているレストラン、

  居酒屋、焼鳥店をたまに見かけますが、

日経新聞によると、「地鶏」の出荷量は、鶏肉全体の1%

程度の希少種であり、現在のところ66種が認定されている

そうです。

「地鶏」はJAS法で定義されていますので、これら以外の

鶏肉を「地鶏」と記載するとJAS法違反となります。

 また、スーパー等で販売されている、いわゆる「銘柄鶏」に対しては、

JAS法では厳格な定義がありません。

ですので、「銘柄鶏」を「地鶏」と呼ぶことはできません。

及び鶏肉に止まらず、鶏卵に関しても、「地鶏卵」という表示は同じく問題となります。

外国語に翻訳する場合は、「地鶏」の定義、法規制、味覚の違い等を明記し、

その付加価値を訴える必要があります。

  「地鶏」とは、このように法律によって定義されたものですので、

もしも十分に理解しないまま、安易に普通の鶏肉や銘柄鶏を「地鶏」と銘打っている

お店がありましたら、速やかに訂正されることをお勧めいたします。

また、メニューに「黒豚」という表記もよく見かけますが、黒豚というのは

バークシャー種(Barkshire)のみに許される表記です。

「鹿児島黒豚」等が有名ですが、他の種の豚を「黒毛豚」などと表記する

ことは許されません。

 ときどき「三元豚」という表記も目にしますが、これは「ヂュロック種」、

「ランドレース種」、「大ヨークシャー」の3種を交配されたもので、

いわゆる「普通豚」のことです。

この他、黒豚でも原産国によっては、輸入豚となりますので、

黒豚=国産豚とはなりません。

 及び「イベリコ豚」がかなり流行っていますが、イベリコ豚とは

生肉の場合、イベリア種50%以上の黒豚でありスペイン政府の認定が必要です。

最も等級が高いのは「ベジョータ」、次に「セレボ」、「セボ」と続きます。

 スペイン産の生ハムでは「ハモンセラーノ」が有名ですが、

殆どが白豚から加工され、黒豚のイベリア種75%以上を必要とする

「ハモンイベリコ」とは異なります。

 

 このように、肉やその加工品に対する表記は、非常に厳格に区分されていますので、

安易な表記に注意しましょう。

景品表示法

 有名なホテルのレストランにおけるメニューの不適切表示

が大きな問題となっています。

悪意が有る無しに拘わらず、場合によっては景品表示法違反

と見なされる可能性があります。

一般的にブラックタイガーより安価なバナメイエビを、

芝エビと表記すれば、不当表示における「優良誤認」に該当する

可能性があります。

優良誤認とは、「内容について、実際の物よりも著しく優良

であると一般消費者に示す表示」ということです。

スーパー等で販売される食品に関しては、食品衛生法、

JAS法、計量法等による規制を取り入れ、公正競争規約

として景品11、表示37の計48アイテムが設定されています。

 一方、レストランのメニューの表記に関しては、

これらの法規が全て適用されているわけではないため、

規制が曖昧な部分があります。

「手作り」、「朝取れ」、「フレッシュ」、「もぎたて」、「手打ち」等、

よくレストランのメニューで見かける表示です。

 

 大手のレストランでは専門の部署でメニューを独自に

作成したり、メニュー作成会社に発注いたしますが、

その視点は売上の向上にあるため、真偽を問われるような

表現となりがちです。

 

 景品表示法に違反した場合は、懲役、罰金が課せられますが、

それ以上にダメージが大きいのが、店の「信用」を失うことです。

小さなレストランなので、有名レストランのように大きな問題とならないと

考えられるお店も有るかもしれません。

しかし、お客様がお店の誠意、真摯、コンプライアンスに疑問を

抱くようであれば、お店の発展は難しいのではないでしょうか。

外国人の好きな食べ物

 政府観光局によると、外国人に聞いた日本での美味しかった

食べ物は下記の通りです。

①寿司

②ラーメン

③刺身

④うどん

⑤天ぷら

⑥魚介、海鮮料理

⑦そば

⑧お好み焼き

⑨とんかつ、かつ丼

⑩しゃぶしゃぶ

 

すき焼きが入っていないのが不思議ですが、

来日する外国人の国籍が影響しているのかもしれません。

外国人の国籍

2013年に来日した外国人が1000万人を超えたそうでうが、

政府の目標は、2020年に2000万人、2030年には3000万人の

外国人を呼び寄せるとのことです。

2013年の国別の訪日外国人ランキングトップ10は下記の通りです。

①韓国

②台湾

③中国

④アメリカ

⑤香港

⑥タイ

⑦オーストラリア

⑧英国

⑨シンガポール

⑨マレーシア

(シンガポールとマレーシアはほぼ同数)

訪日外国人の7割程度がアジア人のようです。

この結果が、日本でおいしかった食べ物のランキングにも影響して

いるかと思われます。

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